椎間関節性腰痛

椎間関節性腰痛の基礎

椎間関節包やその周囲組織には,痛覚伝達に関与する細径神経線維や侵害受容器が豊富に存在する。
椎間関節の炎症により,受容器は長時間にわたり興奮し,機械的閾値が低下する。
また,椎間関節の炎症は,神経根に波及し,後根神経節内のサイトカインの発現を増加させるとの報告がある。
椎間関節に対する機械的有害刺激や,椎間関節の炎症あるいは椎間板変性に伴い発生する化学的有害刺激は,椎間関節および周囲組織に存在する侵害受容器を興奮させ,急性あるいは慢性腰痛の発生に関与しているものと思われる。
また,椎間関節の変性や炎症は,神経根性疼痛の発生にも関与していることが推測される。

-日本腰痛学会雑誌 特別企画●腰痛の病態解明より引用-

椎間関節性腰痛とは?

背骨は本体である「椎骨」と、クッションの役割をする「椎間板」からなり、それらが積み木のように交互に重なっています。

一つ一つの椎骨は後ろで、椎間関節という関節でつながっています。

この椎間関節が動くことにより、背骨は自由に曲がったり捻ったりをすることができるのです。

腰椎と呼ばれる5つの骨があり、一つ一つは椎間関節により連結しています。

椎間関節、特に腰椎の椎間関節の関節包や靭帯が引き延ばされ、捻挫することで、炎症を引き起こし、椎間関節の動きが悪くなることで起こる腰痛を椎間関節性腰痛と言います。

椎間関節性腰痛は、急性椎間関節性腰痛と慢性椎間関節性腰痛に分けられます。

急性椎間関節性腰痛は、ぎっくり腰のひとつの原因ともなり、重いものを持ち上げたり、急に体を捻ったりしたときに起ります。
この際に軟骨や関節包に強い力がかかって炎症を起こし神経を刺激して痛みを発生します。

急性期は、体を動かす事も困難なほどの腰痛が生じる場合があります。

症状の特徴としては、左右どちらかに起こることが多く、腰を反らしたり捻ったりすると痛んだ関節に一致した痛みがあり、お尻、太ももの裏、太腿の外側にまで痛みが及ぶこともあります。

重症でなければ安静にしてる時は、症状を訴えることはなく、腰を反らすしたり捻ったりする動作で痛みが出現しやすいのが特徴です。

椎間関節性腰痛の原因は?

椎間関節性腰痛の原因は、椎間関節への繰り返される負担や加齢などが挙げられます。

椎間関節は、重いものを持ち上げたり、腰を反ったり捻ったりすることで負担がかかります。

多少の負担なら問題になることはありませんが、過度に大きく動かしたり、何度も繰り返し動かしたりすることで疲労が蓄積され、腰痛を発症します。

椎間関節性腰痛の症状

椎間関節性腰痛には以下のような症状がみられます。いくつか当てはまるようでしたら、この疾患の可能性があります。

  1. 体を後屈させると腰痛が増す。
  2. 深くまで前屈させると激しく腰痛が出る。
  3. 痛みの特徴は鋭い腰痛である。
  4. 日常的に体をひねる動作で腰痛が出やすい。
  5. 体を背もたれなどに預けると腰痛が緩和する。
  6. 立位、座位の動作では腰痛は現れない。
  7. 中年以上の年齢で腰痛が出やすい。

急性椎間関節性腰痛

急性椎間関節性腰痛はぎっくり腰の代表的な病態の一つです。

主に片側性の腰の激しい痛み
腰の下部に好発する
背骨の出っ張ったところ(棘突起)から2,3センチ外側の圧痛(椎間関節部)
腰を反らせたり、後方に振り替える動作で疼痛が増強する
殿部(おしり)や大腿外側(ももの外側)にも痛みが走る場合がある

慢性椎間関節性腰痛

腰の下のほうの痛み
大腿外側の疼痛・しびれ
腰を反らせると痛む
腰を左右にねじるとねじる方向と逆の椎間関節部に痛みが出る

症状が発現するエリア

椎間関節性腰痛では、背中の中心の外方20~30ミリほどの部分に腰痛が現れます。

自分自身でもそれがハッキリしない場合、左図の赤丸の部分を押すと鋭い痛みが出る場合があります。
上半身の体重の負荷がかかり易い腰椎の4番と5番の間、5番と仙骨の間の椎間関節に多いようです。

椎間関節の問題が起こると多くの場合に、背骨に近い中央付近にも痛みが現れます。また、まれに臀部や太もも裏面の青色のエリアにも関連痛が現れることがあります。

椎間関節には痛みを感知する侵害受容器と呼ばれる神経センサーが発達しています。侵害受容器は、関節周囲の組織のおよそ10倍存在し、これが痛みを強くしやすい要因の1つです。

そして、関節包(かんせつほう)という線維組織に包まれ、その関節包には多裂筋(たれつきん)という筋肉が付着しています。関節包は、背骨が過度に前後に倒れたり過度な回旋を防ぐ働きをしています。

運動不足で体が硬く(可動範囲が狭く)なっている人が、急激に可動範囲いっぱいのところまで動かすような事をすると、関節包に過度なストレスがかかりこの「腰の痛み」を起こすことがあります。

腰痛で身体を曲げたくなる理由

椎間関節を原因とした痛みを発症している場合、無理に背筋を伸ばすより、少し腰を曲げておいた方が、腰椎椎間関節への負荷は少ないと言えます。

よく腰痛の方が腰を曲げてさすっていらっしゃる姿を目にしますが、あれはとても理にかなったことなのです。

椎間板が狭くなると、それだけ椎間関節には体重が乗りやすくなります。
ですので「腰が重だるく、痛む」という感覚になってきます。
そんな時、痛みがあるにも関わらず背筋を伸ばそうとするとさらに椎間関節に体重を載せることになってしまいます。

ですので、腰が痛い場合は、腰を伸ばさず曲げて頂いて、少し前屈みになる方が、痛みは取れやすいと言えるでしょう。

また、変形した腰は、腰部脊柱管が狭くなる、つまり神経の通り道が狭くなっていくものですが、腰を曲げることで、その神経の通り道を広げることができます。

つまり、歳を経ると腰が曲がっていくのは、いつまでも立って歩けるように身体が自然とそうなっている、いわば「身体の自然の知恵」のようなものであると考えられます。

腰が痛いからと言ってじっとしているのではなく、腰を曲げて負担の少ない姿勢でどんどん歩くということも、身体にとっては大事なことなのです。

-医療法人 隆由会 整形外科 おおたきクリニック 腰椎椎間関節を原因とする腰痛を引用-

肥満や日常生活上の原因

椎間関節性腰痛は背骨を後ろに反らせていくと痛みが増す特徴があります。

肥満傾向の人は椎間関節性腰痛のリスクが高くなります。お腹が前にせり出すほど、重心も前方に移動するためです。

具体的には、①背筋群・②腸腰筋・③太腿前部の筋群、これらの筋肉が短縮します。

その結果、④骨盤が前傾し⑤腰椎の前弯が増強され、いわゆる反り腰となって腰椎の椎間関節へストレスが掛かり続けます。

この様な状態は肥満傾向の人だけでなく、ヒールが高めの靴を好んで履く人にも同様の傾向がみられます。

いわゆる反り腰の人は多裂筋の緊張度が高く、構造的に腰椎の前弯が強いそり腰の形状となっています。そのような場合、肥満やヒールが高めの靴の常用などでも椎間関節に過剰な負荷が掛ります。

椎間関節性腰痛を治していくためには、日常生活上の問題を見直すことも必要です。

一般的な整形外科で治療

診断

X線、MRIともに画像による診断はできない。

処置

(急性椎間関節性腰痛の場合)

消炎鎮痛薬(ロキソニン・ボルタレンなど)の投与や湿布が行われる。
アイシングなどの物理療法
腰部バンドなどの外固定
痛みの強さや医師の判断により局所注射がおこなわれることもある。

(慢性椎間関節性腰痛の場合)

温熱療法などの物理療法
腰部バンドなどの外固定
椎間関節ブロック注射
筋弛緩薬や鎮痛剤などの投与

椎間関節性の腰痛の改善法5つの視点

当院は椎間関節性の腰痛の原因を踏まえ以下の筋肉・骨格・関節の調整を行います。

  1. 背部の脊柱起立筋を緩める。
  2. 腸腰筋(大腰筋を含む)を緩める。
  3. 大腿直筋、縫工筋(ほうこうきん)を緩める。
  4. 多裂筋の機能不全を解消する。
  5. 全身の歪み・捻じれ(骨格・関節の異常)があれば矯正。

根本的な改善には姿勢改善・運動療法!

椎間関節性腰痛の根本改善には運動療法が不可欠です。

普段から反り腰姿勢等で特定の椎間関節に負担がかかりやすかったり、筋力が足りなくて負荷がかかった際に腰を支えられないケースが多いのですが、これを解決するには負荷に負けないカラダを作る必要があります。

姿勢改善のためにもインナーマッスルを含めた体幹部全体の筋力トレーニングをしていきます。

お尻のストレッチ

1.椅子に座ります。片側の足首を反対側の膝の上に乗せ、できる範囲で、すねが床と平行になるように股関節を開きます。

2.背中を伸ばし、おへそを下に向けるように体を前に倒します。そうすると、上側にある方のお尻から太ももが伸びてくると思うので、30秒ほど伸ばしましょう。両側30秒×3セット。
どちらのストレッチも「筋肉が伸びて気持ち良い」程度の姿勢で30秒伸ばすようにしましょう。

お勧めコース

腰痛専門コース(5000円/40分)をお勧めします。
なお、初回の方はさらに初回検査・問診無料/10分をお選びください。

北九州整体院

〒802-0971北九州市小倉南区守恒本町1丁目2-5-203